焼きうどんに思うこと

焼きうどんは反省する料理です

これを作るたびに、自己反省するのです。




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「焼きうどん」という料理があって、
世の中ではどうもポピュラーなのだと知ったのは、
お隣さんに焼きうどんを作るように言われたのがきっかけでした。

きっと、普通のかけうどんでは油っ気がなくて物足らなかったのでしょう。
「昼なら、うどんのように簡単で軽いものでもいかんことはない」と言いつつ、
大盛りにしても食べた気がしないようでした。

私は、焼きうどんをちゃんと見たこともありませんでした。

作り方も味付けも当然知らない私が味を聞くと、
「焼きそばのうどんバージョンだ」としか答えられません。
「知らんのか！どこにでもあるだろ。
ふつう、みんなでバーベキューとかする時にやるだろ」

バーベキューなんて行ったことはありませんでした。

そもそも、子どもの頃から常に「やらねばならぬ家事」が何より優先で
社会に触れる機会が少なく、世間知らずだったのです。

焼きうどんを作るために、
チャンスを窺い、本屋でお料理本をのレシピを立ち読み。
その写真と調味料を参考にして手探り。
その後20年ぐらいの間にアレンジが進みました。
今や数が増えた焼きうどんのレパートリーの中で、
これは一番自分好みのあっさりした和風味の焼きうどんです。

振り返ってみれば、
節約と家族のためだけに自分の存在意義が与えられ、
仕事や交友関係など普通の社会生活もままなりませんでした。

事ここに至って、この年齢で現在の心身の状態の許す中で
就職することはまず不可能になってしまいました。
直ぐにやってくる老後の生活は考えたくもない感じですね。
それで心の底から反省し、後悔もしました。

私だって生まれてきたからには、社会と関りを持ち、人間らしく生きたい。

今はそのための扉を探しているところです。

ブログはその手探りの活動の一つとして始めました。

私のつたないブログでも、ブログサークルに登録してから、
そこではコメントをくださる奇特な方がいらっしゃいます。
知り合いもほとんど残っていない私にとって、ブログのコメントは
社会（家族以外の他者）との触れ合いとしての大きな価値があります。
ですから、
コメントくださる方には口では言い表せないほど感謝しております。

家事の一環で、相変わらず家族の都合に合わせた毎日の料理も、
ブログのおかげで少しメンタル的な辛さが軽減されています。

とは言え、こんな私も一応母親でもあります。
娘たちには社会での経験値を上げることで、
私のような失敗をしなくて済むようになってもらいたいと思っています。
干渉を避け、家事を強要したり、時間で家に縛り付けたりすることなく、
勉強も遊びも可能な限り好きなようにしてもらうように心がけています。

それでもなお、
自分の生活の不安や家事のトラウマで心が疲れてしまい、
「家事を手伝ってくれたっていいのに」と、つい思ってしまう時には
焼きうどんを作って自戒するのです。

タグ：焼きうどん おうちごはん